エベレスティングの備忘録(Garmin設定、準備、ジャージの発注、反省など)

この記事は茨城県、筑波山の白滝林道(標高差275m、斜度9.7%)を使ったエベレスティングについての備忘録です。容易なものではありませんので、十分な調査と準備のうえ撤退前提で挑戦されることをお勧めします。

挑戦の経緯

2021年唯一最大の目標は、あるヒルクラの大会で勝つことでした。勝てなかったら罰ゲームのエベレスティングをやって登りの特訓をするぞー、と考えていたのですが、勝てないどころか途中で垂れて散々な結果に終わってしまい、今回の挑戦となりました笑

コースと目標タイムなど

コース(白滝林道)

セグメント名:白滝林道
セグメント(白滝林道)

私が「鍛錬」として初めて筑波山に行ったときに登った峠が、この白滝林道でした。斜度9.7%はヒルクライム初心者にとっては紛れもなく激坂でしたね。OTR(ヒルクラ用ロードバイクを買ったお店)の先輩方、よくもまあ重たいリュック背負って防寒具着こんだ勘違い初心者をこんなところに案内してくれましたよ。いまだに「もっとも記憶に残ったクライム」ベスト1です。急こう配の果てにそびえたつコンクリの壁、「キング」から頂いた有りがたいご指導。一生忘れられません笑。

このコースを選んだのは、登りやすい峠を登ったのでは勿体ないから。ダンシングせざるを得ないような勾配があると、色々考えて工夫しながら、登りの技術が上がると思ったのです。

結果として、これまでやったことのなかった登りかたを一つ身につけました。低ケイデンスで登るのがめっちゃ苦手だったのですが、9,600mも登り続けりゃさすがに克服できましたよ……。

目標タイムを計算

ポイント①
CALCULATOR - EVERESTINGで事前にタイムを計算できる
ポイント②
計算結果プラス3時間くらいを見ておくべき

白滝林道(CALCULATOR - EVERESTING)で計算してみると、32.3回登る必要があり、200wで10分休憩を8回入れても14時間という結果です(※このウェブサービスは後で知ったので実際はスマホのアプリ「ヒルクライム計算機」を使いました)

結果としてはトラブルや長い休憩、予想外のパワーダウンなどがあり、プラス2時間、16時間を要しました。休憩を入れてから念のため2本追加で上って17時間30分。3時間くらい大目に見ておくべきでした。

Garmin830の設定

ポイント①
Edgeのページを切り替える必要がないよう厳選
ポイント②
何往復したかは自動ラップでGarminにカウントさせられる

自動ラップ(位置)の設定方法

Everestingというアクティビティプロフィールを作成したという前提で…

「自動ラップ設定」で「位置」、「ラップ」 で「位置による自動ラップ」を選択すれば完了です。スタートボタンを押すと、その場所が自動ラップ地点となります。

  1. 設定へ
  2. アクティビティプロフィール
  3. Everestingを選択
  4. 自動オプションを選択
  5. 自動ラップを選択
  6. 有効、かつ自動ラップ設定を「位置」に

周回コースではないので、ちゃんとラップしてくれるか疑問でしたが、結果的に一度も失敗せず34ラップを刻んでくれました。

表示項目を厳選する

実際の表示設定と事後の評価
実際に表示させていた項目事後評価説明
パワー表示(グラフ)終盤は見なくても大体わかるようになりました
心拍表示身体的な負荷がどのくらいかかっているかを見ました
ケイデンス終盤は見なくても大体わかるようになりました
ラップタイムぺースを客観的に測るのに大いに役立ちました
総上昇量エベレスティングでは8,848mで達成となります
気温服装を変更する際の参考となります
時刻見る頻度の高かった項目です

ラップNPは下りのパワーも計算に入るので、低く表示されてしまいます。カロリー表示はあっても良いのですが、総上昇量×0.8くらいで考えれば良いので常に表示しておく価値がありませんでした。逆に、これを表示させておけばよかったと思ったものは、次の二つです。

表示させておけばよかったと思った項目
項目後悔度説明
ペダルスムーズネス技術向上を狙うために欲しかった
前回ラップタイムラップ結果を見忘れた時に役立ったかも

ペダルスムーズネスは数字が大きいほど回すペダリングができていることを表します(Garminの公式説明)。暇なときに見ながら登っていれば技術向上できたかなーと後悔しています。

※なお、ペダルスムーズネスは小さい方が良いというようなことを書いているサイトがいくつかありますが、公式な説明である上記リンクの計算式を見てください。Pedal Smoothness = (Pavg/Pmax) x 100 となっています。小さければ小さいほど局所的な(≒スムーズではない)トルクをかけていることを表すことは自明です。

で、次回やるとしたら以下のような表示項目を並べると思います。

理想の表示項目

持ち物~ロードバイク車載~

軽量化にフォーカスして装備品はヘルメットライトとサイコン、気づきベルのみに絞りました。後半はボトルを携帯した時間帯もあります。

前半はボトルも持たず補給車で飲んでいましたが、汗をかきまくった時間帯はたまらずボトルを携帯しました。ライトはいつも通りヘルメットに装着して、明るい時間帯は外して車に置きました。徹底するならフロントシングル化も良いと思いますが、私はトラブルのリスクを嫌ってバイクは弄りませんでした。

ダンシングを軽くするため、工具類(パンク修理キット+アーレンキーセット)はバックポケットに入れました。

サドル付近に動物除けのためのベルはつけました。動物とは全く遭遇しませんでしたので効いたのかもしれません。

持ち物~バックポケット

左ポケット
携帯工具類(チューブ、アーレンキー、ポンプ、レバー2本を紙で包んだもの)
中央ポケット
ジレ
右ポケット
車のキーと軽量財布(健康保険証入り)

後半は、ジレの着脱時間を削るため毎回バックポケットに入れるのはやめて、着たままジップ開放で登りました。

重いのでスマホは持ちませんでしたが、持っていた方が良かったと思います。有事に備えて健康保険証の入った財布は持っておきました。

持ち物~補給車~

色々考えて柔らかく煮込んだ大量のあんこを用意していたのですが、なんと冷蔵庫に置き忘れてしまいました。コンビニまで車で買い出しに行こうと考えていたところ、応援に来てくださった皆様の差し入れが大量にあり、助かりました。

1週間前に9往復したときは、水分は500mlも減らなかったので2リットルとボトル1本しか持って行かなかったのですが、調子を崩して大量の汗をかくことがあり、まーったく足りませんでした。こちらも、応援に来てくださった皆様のサポートにより、買い出しに行かずに済みました。

工具類は、一応ありそうな有事に備えた感じですが一度も使いませんでした(結果論)。

服装(※5℃~15℃)

インナー
dhb - ライトウェイトメッシュ長袖ベースレイヤー。速乾性に振った素材かと思いきや保温性も高くて驚きました。
ジャケット
dhb - Aeron Equinox サーマルジャージ。わずかな裏起毛、伸縮性、フィット感。文句なしの性能です。5℃~15℃の気温では完璧な仕事をしてくれました。
ジャケット(寒すぎる時間帯用)
dhb - Aeron Lab All Winter Polartec ジャケット。上記サーマルジャージが万能すぎて、ほぼ出番がありませんでした。
タイツ
dhb - Aeron Speed ビブタイツ。現在型落ちしているようですが、「Paris HPパッド」を備えていればなんでもOK。過去200マイルのライドで何度もおケツを守ってくれ、今回も完璧な仕事をしてくれました。
ジレ
WAVE ONE ウインドテックベスト。チームのロゴが入ったオーダー品。背中が蒸れますがバックポケットが付いているのが良い点です。寒い時間帯はジップ開放だけで着脱の手間を省くことができました。
グローブ
モンベル サイクルトレーナー グローブ Men's。12℃を超えてくると暑くて蒸れ始めたので、15℃前後の時間帯は素手にしました。言うほど伸縮性もなく、蒸れると着脱しづらくなります。

ようするに私、Wiggleのdhb Aeronシリーズの信者です笑。恐ろしいコスパだと思いますよホント。

補給戦略

[エネルギー利用比率1:1] は私にとってはかなり余裕を見た数字になっていますが、一般的には参考にならないと思います。

とはいえ食材である大量のあんこを家に置き忘れたため、上記の戦略は序盤からボロボロになりました。最初の3回の補給では300kcalくらいしか摂れていなかったと思います。

基本的に補給食や緊急食の携帯はしませんでした。少しでも身体に異変を感じたら早めに補給車で休む作戦です。

結果的には多量の差し入れをいただき、後半は毎回600kcal以上摂れていました。しょうもないミスをしてしまったため、上記の戦略の検証は次回に持ち越しです。

登録~ジャージの発注まで

Stravaのエベレスティングログを登録

  1. EVERESTING Submission - VeloViewerを開き「Connect with Strava」でStavaと連携。
  2. エベレスティングを達成したログがリストアップされるので、選択。

手作業ででライドログの確認が行われるそうです。一週間以内に登録完了の通知が来なかったら、CONTACT - EVERESTINGに問い合わせよとのこと。

Stravaのアクティビティコメント

そしてお知らせが届きました。Stravaのログにコメントされる形のようです。そして無事、EVERESTING HALL OF FAME - EVERESTINGに掲載されました!!

殿堂入り

ジャージの発注

Hells 500 Everestingからジャージを買うことができるようです。クレカで決済する画面まで進みましたが、まだ何を買おうか悩んでいます。少々高いけど豪ドル建てなので8割掛けかなあ。それにEVERESTINGは手の込んだサイトで、達成の判定から殿堂入りページの維持まで全部無料で運営されていますが、これ相当にコストがかかっているはず。ジャージを買うことで応援したいなーと思ってます。

反省

忘れ物をした → チェックリストを使えばよかった

持ち物が多く、また出発直前の食事などを重視していて時間に押された挙句、メイン食材を忘れてしまった。要冷蔵だったので事前準備できなかったのが原因と言えば原因でした。業務用あんこをお湯で少し柔らかくしたものだったのです。チェックリストを用意すべきだったかもしれません(というか用意したチェックリストを印刷しておくのを忘れた)

頂上に駐車 → 麓に停めればよかった

危険な箇所にゴムマットを敷くために頂上付近に補給車を停めたのですが、ここで休憩すると身体が冷えた状態で下りを始めることになり、大変寒いです。寒すぎて下りのスピードを抑えたことが何度もありました。これは本当に時間と体力のロスです。

無駄な停車動作を必要とせず、汗冷えもない麓に停められればベストかもしれません。また、応援にかけつけてくれる人などに分かるよう、キャンプ場所や補給車の位置などを詳しく告知しておくべきでした。

ただ、麓に良い停車場所があったかというと、ちょっと疑問なんですけどね……。

ペース配分 → 徐々に上げていけばよかった

最初から目標タイムのペースを刻んだのは間違いでした。というのも、コースに慣れるまではパワーの変動が激しくて、いつの間にかL4になっていたりします! 半分までいったところで急激なパワーダウンに襲われ、そこでパワーの出しすぎに気づいたのです。体調の変動なども考慮に入れ、最初は目標ペースの90%くらいから徐々に上げていく感じで良かったのだと思います。

足りなかった水分 → 3倍見積もればよかった

また、途中でパワーの出しすぎに気付いたときには時すでに遅し。3,000kcal消費する間にグリコーゲンをたっぷり使ってしまって、普段かくことのない多量の汗もかきました。水分が足りなくなる事態になったのです。水分は3倍の量を見積もっておくべきでした。

広範囲型ライト → 指向性の高いライトにすればよかった

お気に入りの中華ライトをヘルメットにつけていましたが、遠くまで照らしてくれないため暗い時間帯では無駄にブレーキが必要となりました。明るい時間帯は6分で下れるのに、暗い時間帯は9分かかることもありました。下りで2分~3分も違ったのです。

ブレーキングは体力も消耗します。足よりも二の腕のほうが疲れたくらいです(本当)。

仲間との連絡手段 → 要検討

走行中に減速して口頭で連絡を伝え合ったり、停車したりというアクションを省くことはできなかったかと考えたとき、補給車は同じ場所に停めるべきだったかも、とかEdgeに通知させる手段が検討できたのではないか、とか色々反省があります。ここは検討課題となっております。

バッテリー対策 → スマホとサイコンの連携は保っておいた方が良かった

Edgeって、いじくり回しているとフリーズしてログが消えることがあるんですよ……。Bluetoothオフ等のバッテリー対策をしていたのですが、9,600mを登り切り、いざ保存したらスマホと連携されず、何故かアクティビティログにも残っていなかったので一瞬ギョッとしました。

Edge530/830ならバッテリーがかなり高性能です。ハードに使い始めて1年半になりますが、結局バッテリーは半分くらい残ったし、スマホとの連携を保っていた方が良かったと思いました。普段と違う慣れないことをやって誤ってライドログの消失とか、洒落になりません。

ログの消失を避けるため、エベレスティング挑戦中むやみにEdge(サイコン)は弄らない。もしくは弄らないで済むようにしておく。これって別にエベレスティングに限ったことではないですね。

おわりに

今回、最も無駄に時間と体力を消耗した原因は「ブレーキング」でした。

車の停車場所の選択、ライトの選択、ジレの着脱、仲間との連絡手段など、減速しないで済むためのより良い選択肢がたくさんあったと思います。

達成が唯一の目標であれば峠を選ぶことが大事になるのでしょうが、今回のようにその峠で達成することが目標であれば、限られた選択を誤るわけにはいきません。

チームメンバーの応援と差し入れがなければ達成できなかったと思います。正直考えが甘すぎでした。応援に駆けつけてくれた一人一人に、本当に感謝しかありません。

次回10kを目指すときは、今回の反省を活かせると思うので楽しみです。

Since: 2021-11-12, Updated: 2021-11-20